ふつーの日、大事な日

なんだか最近すごくて輝いてて元気でパワフルな人しかいないみたい。。。。 私みたいなダメ人間もいるんですよ、という密かなシュチョー

本は ~叛徒

「叛徒(はんと)」下村敦史 著


望むラストに持っていこうと無理するのはよくあるけど、望むシチュエーションに持っていくために無理をするのは珍しい

主人公の七崎隆一は警察官
でも捜査をするんじゃなくて中国語の通訳が仕事
だから尋問の席に同席するけど通訳するだけで自分で尋問はしない
現場に行って捜査もしない
普段は呼び出しに備えて待機してて、調書の翻訳とかしてる

この後内容に触れてるので未読の方はご注意を







息子が事件に巻き込まれてるんじゃないかと疑った七崎は息子に捜査の手が及ばないように、目撃者の証言や聞き込みの時の証言を偽るんだけど
「日本人だった」っていう証言を「中国人だと言ってます」って言っちゃったんだよ

もう破滅なんだけどこの人


それをいったいどうやって誤魔化すのか、というかもうそこにいられないよね、一刻も早く逃げなきゃ、くらいこっちは思ってるのになんだか緊迫感がないんだよね

このくらいなら大丈夫と思ってるのかのように、セリフは狼狽えてるんだけど全く行動しない

ただ、その辺りが気にならなければスリリングな展開です
息子の無実をどうやって証明するか、自由に動けない状況で仲間の警察をどうやって出し抜くか
ゲームを楽しむ気分で細かいところは気にしないで読もう
ただそこに目をつぶると小説である必要がなくなるんだけどね

どうも書き上げることが先で練りきれてない印象
話の流れや明かしていない話を出してくるタイミングが残念