「四度目の氷河期」 荻原浩 著
渉(ワタル)の4歳頃から17歳までの物語
渉は幼稚園の教室でじっとしていられない
突然奇声を発したり園庭を走り回ったり、所謂問題行動の多い子供
そして母と二人暮らしの彼はなぜか自分の父親はクロマニヨン人だと思い込み、再び来るであろう氷河期に備える
さて、そういう変わった子供の成長記かというとそうではない
成長記と言うより一代記
地方の町らしく、母親の仕事の関係で越してきた渉はいつまでもよそ者扱いされ、母の仕事も遺伝子の研究という一般には怪しく思われやすい仕事で周りから敬遠されている
渉はひどく生き辛さを感じていたはずだけど、まっすぐに諦めずに立ち向かう
そこに人類の何万年にも渡る進化の歴史まで絡んできて物語に厚みを持たせている
ちょうどNHKで人類の進化の番組をやっててダブルで面白かった
彼が何を考え、どう行動して、17歳であそこまで辿り着いたのか
やっぱり一代記だな
半生にも満たないけどさ