ふつーの日、大事な日

なんだか最近すごくて輝いてて元気でパワフルな人しかいないみたい。。。。 私みたいなダメ人間もいるんですよ、という密かなシュチョー

本は ~十二単を着た悪魔

十二単を着た悪魔」 内館牧子

源氏物語を読んだことがありません
長く生きてると勝手にあらすじくらいは耳に入ってきますが、まったく面白さを感じられなかったので読む気にもならず

内館牧子も初読みです
イメージは揺るがない力量
だからつまんないかもな(しっつれい!)と思ってたの


あとがきから読むんだけど、そこにはけっこうな源氏愛が書かれてたのでそこで足りない源氏情報を補いつつ、源氏物語のいいとこ取りした話なんだろうと思ったらあなた、なんとトリップものでびっくりしたよ!


雷(らい)は大学を卒業したものの就職が決まらず、優秀な弟は難関大学に合格
自分の居場所を見つけられずにいた
けど、源氏物語の世界ではたまたま持っていた源氏物語のあらすじを使って陰陽師として活躍
まわりに期待され頼りにされる
雷にとってはこちらの世界の方が生きやすく感じるが・・・


源氏物語の現代語訳をさらにかみ砕く書き方っていっぱいあるけど、今回はなにせ現代人が語り手だからそこは自動的にそうなる
ついでに平安人のセリフもだいぶ今風だけど、やり過ぎず丁度いい

注目したキャラは光源氏ではなく、彼の父の正妻
原文にはそんなに出てこないキャラらしい
そのため恋愛物をだらだら読まなくて済んだのはいいんだけど途中ちょっと飽きた

主人公の雷(らい)が語り手なんだけど内館牧子出過ぎなんだもん(笑)

源氏物語に描かれている事象を追うばかりなので時間が飛びまくりでじっくり読めず、さらに作者の源氏物語の解釈を聞かされるだけになってて・・・

これ、繕いようがないくらいやっちゃう作家さんっているけど、今回は雷が結婚したり人として成長したりと小説要素もちゃんと残ってたのでぎりぎりセーフ
なので最後まで読めました


作家のだいぶ偏った物の見方や解釈がちょっとうるさいけど、最後は小説らしい終わりかたでホッとしました





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