「眩(くらら)」 朝井まかて 著
葛飾北斎の娘お栄のはなし
最近は北斎が注目されてるのでお栄も有名になりましたね
この時代の画家は仕事を弟子と一緒にするので、北斎が人物だけ書いて背景や着物の模様は弟子任せ、なんて当たり前
スタッフをたくさん使う漫画家に近いね
お栄も工房にいて絵を描いていて、後には自分の名前でも絵を残してます
さて、朝井まかて
面白いんだけど、うーん、地味なんだよなー
地味でも面白い人はいるんだけど、なんだか朝井まかてはわざと「小説らしいサービスはしません」みたいな素っ気なさがあるのよね
しかも今回、お栄の甥っ子が!
もうほんとにどうしようもないヤツで!
キーッッ!
お栄の姉の忘れ形見なんどけど、お栄にも祖父母にも懐かないでそのうち近所の悪ガキとつるみ始めて家に寄り付かなくなったと思ったら借金をお栄たちに払わせる始末
それでなくてもカツカツの生活なのに、お栄はずーっとこの甥っ子に煮え湯を飲まされ続ける
もう!小説なんだからそこはスカッとさせてよ!とっちめちゃってよ!
実際この甥っ子がここまでお栄たちを煩わせたのかはわからないけど、最後までこっちはキーッッとしっぱなし
それでなくてもお栄の人生に華々しいエピソードがなくて、ずーっともやもやなのに
ちょっとくらいサービスしてくれてもいいのに、と思っちゃう
今回の主人公お栄は杉浦日向子の漫画「百日紅」とイメージがそっくりだったのでうれしかった
好きなの、百日紅
北斎もこの漫画に近い感じだった
渓斎英泉は妹も含めて皆川博子の「みだら英泉」を読んでたのでなんだか知ってる気分でした
時代物は色んな作家のを読むのが面白いよね
長々と書いてすみません
ブログに載せる感想文はコメントみたいに短くすることにしてたのに、久しぶりに書いたら止まらなかった
いかんいかん