「雪の鉄樹」遠田潤子 著
ダメでした
が、気づくのが遅くてほぼ全部読んじゃった
いい話と悲劇を小説にするのは、センスと純粋に小説の技術が必要だと思う
だってフィクションなんだからいくらでもマンガみたいな(悪い意味で)展開にできるわけじゃない
以前知り合いがどうにも不幸な主人公の小説を「不幸自慢」で嫌い、と言ったのを聞いて納得した
もちろん作中の人物が不幸自慢をしている訳じゃないけど、小説自体が不幸自慢になってるのよね
なにしろフィクション
こんなかわいそうな話を思い付きました、と言われてもさ
そして本作ですが、なんと前半は主人公にどんな過去があったのか明かされず、なので全く話に入り込めず、なのに過去の出来事のせいで主人公は覇気がなくいつもためらい戸惑い身動きが取れない様子
過去を言葉にしない不自然さもハンパなく、そうしてもったい付けた効果はむしろマイナス
ようやく何があったのかわかった、と思ったら話が終わったよ
あれれ、不幸自慢系だったのか、先に言ってくれよ
というお話でした、まる