「アラミスと呼ばれた女」 宇江佐 真理 著
幕末にフランス語の通訳をしていた女性が主人公
あとがきによると
ヒントは子母澤寛の「才女伝」から
男装して通詞をしていた女性がいたらしい
しかし資料は残っていない
後にジュール・ブリュネのスケッチを見て存在を確信したそうです
ブリュネはフランスから軍事顧問団の一員として来日、後に箱館戦争にも参加している
彼の残した「愛称アラミス」という注釈のついた日本人のスケッチを見て、宇江佐真理は想像する
そこらの男性の通訳よりよほど巧みにフランス語を話す男装の女性を
どこまでがホントでどこまでがフィクションなのかわからないんだけど、榎本武揚と近しい人物としたことで話はいやでもドラマチックになります、が
残念ながら今回は、調べたらこんな面白いエピソードがあったよ、というネタを散りばめながらの史実の復習みたいになってしまった
こういう動乱期の話って、状況や時代の動きがわからないと面白くないし、だからといってそれを説明し始めると物語と解離しちゃうしで、なかなか面白い小説には出会えない
あんまり人物像を書き込んでなくて、少し距離のある書き方が物足りなかったかな